Iorリークハイテスタ 3355-04(日置電機)

Iorリークハイテスタ 3355-04(日置電機)

活線状態における絶縁管理を『新提案』 Ior測定が保安作業の効率化を高めます!

 近年、集合住宅・ビル・工場などは停電して電気設備管理をすることが困難になってきています。「電気設備の技術基準とその解釈」では、「使用電圧が低圧の電路であって、絶縁抵抗測定が困難な場合には、漏えい電流を1mA以下に保つこと」が規定されています。つまり、漏えい電流をクランプで測定(Io)することで停電作業がなくなります。しかし、コンピュータやインバータ機器の増加により、容量性電流成分が漏えい電流測定に大きく影響を及ぼすようになりました。この場合、漏えい電流(Io)測定では正しい絶縁管理ができず、Iorの測定が必要となります。

機種名 Iorリークハイテスタ
型番 3355-04
メーカー名 日置電機


  特長

  クランプセンサで活線をクランプして、電圧も測定すると対地静電容量による漏洩電流Iocをキャンセルして絶縁抵抗劣化による有
  効漏洩電流Iorを測定できます。



  • 豊富な測定パラメータ
     測定パラメータの図不可解な漏電ブレーカの動作原因の追求に!
      *基本波値 :Io
      *フィルタ値:Ifilt
      *実効値  :Irms
     測定した漏洩電流波形から基本波(50/60Hz)成分だけを取り出した「基本波値Io」とフィルタを通して求めた「フィルタ値:Ifilt」、高調波成分を含んだ
  •  「実効値:Irms」、の同時表示により高調波による影響を確認できます。
     ※フィルタ値のカットオフ周波数:150Hz(50Hz時)、180Hz(60Hz時)
  • 最大・最小・平均測定(RECモード)
     測定値(瞬時値)が変動して読みにくい場合や、ACアダプタを使用して1日または1週間など長時間の測定をしたい場合、RECモードで最大/最小/平均値を確
  •  認することができます。
     [MAX/AVE] キーを押すと、最大/最小/平均値測定(RECモード)を開始します。測定中の最大/最小/平均値は、表示を切替えて確認できます。
  • メモリ機能
     [保存] キーを押すごとに内部メモリにデータ保存できます。(内部メモリ最大100個まで)
     最大/最小/平均値測定中(RECモード)は、最大/最小/平均値データを保存します。Io,Iorの最大値のみ発生時刻を保存します。
  • PCでデータ管理
     データ管理メモリ機能で保存したデータは、USB接続でPCへダウンロードできます。測定データはテキストデータ(CSV形式)です。
     RECモードで保存した測定ファイルを開くと、Io,Iorの最大値の発生時刻を知ることができます。



  簡単操作

 1. ファンクションスイッチを回して、測定ラインを設定します。


 2. 結線図キーを押して、結線図画面を表示します。(測定ラインにより接続方法が異なります)


 3. 電流クランプを結線図に従い接続します。

 4. 電圧コードを結線図に従い接続します。
  [画面]に、
  ・基本波漏洩電流値(Io)
  ・有効漏洩電流値(Ior)
  を表示


 5. 画面を切替えて、対地絶縁抵抗値R (MΩ) も確認できます。
  [画面]に、
  ・基本波漏洩電流値(Io)
  ・有効漏洩電流値(Ior)
  ・対地絶縁抵抗値(R)
  を表示



絶縁抵抗値と対地絶縁抵抗値について

 対地絶縁抵抗値は、絶縁抵抗計で測定した絶縁抵抗値とは測定方式が異なるため相関はありません。
 絶縁抵抗計:被測定物に対して直流電圧(DC)を印加し、漏洩電流として検出された電流値と印加電圧値から直流絶縁抵抗値(DC MΩ)を求めます。
 有効漏洩電流計(Ior):活線状態で被測定ラインから基本波(50/60Hz)成分の漏洩電流と基本波電圧を検出し、有効漏洩電流Ior(絶縁劣化による漏洩電流成分)
 を求め、基本波電圧値と有効漏洩電流値から対地絶縁抵抗値(AC MΩ)を求めます。



  位相校正ユニット9796

 クランプセンサと3355は出荷時にはセットで位相調整をしてあります。
 クランプセンサの落下・衝撃などにより、クランプセンサのコアの噛み合わせ状態が変化すると、位相が変化します。
 この場合、性能を満足することができません。定期的に9796を使用し、測定前に位相校正を実施することを推奨します。




  クランプオンリークセンサ仕様

クランプオンリークセンサ 9800 9801
外観 クランプオンリークセンサ9800
CAT III 300V
クランプオンリークセンサ9801
CAT III 300V
コード長 3m
測定可能導体径 φ30mm φ40mm
定格一次電流 AC10A
出力電圧 AC10mV/A
振幅確度(45Hz~66Hz) (45Hz~66Hz) ±1.0%rdg.±0.005%f.s.
位相確度(50Hz/60Hz) ±3°以内
残留電流 1mA (10A往復電線時) 5mA (100A往復電線時)
周波数特性(確度の偏差) 40Hz~5kHzで±3%以内
対地間最大定格電圧 300Vrms (絶縁導体)
最大入力電流 10A連続
寸法・質量 60W×113H×24Dmm、170g 74W×182H×35Dmm、340g
備考 電力測定には使用できません



  マグネットアダプタ 9804

  ワニ口クリップで金属端子部を挟みずらい場合は、先端部をマグネットアダプタに交換し電圧を検出できます。




  仕様

● 本体
測定ライン 単相2線、単相3線、三相3線、三相4線 (50/60Hz)
※異容量三相4線は、分岐後の単相3線の測定はできますが三相3線の測定はできません、また非接地電路の測定はできません。
測定項目 漏洩電流実効値 I rms、漏洩電流フィルタ値I filt、漏洩電流基本波値 I o、有効漏洩電流値 I or、漏洩電流基本波位相角値 θ、電圧基本波値 V、対地絶縁抵抗値 R、周波数 Hz
測定レンジ 電圧:AC500V (有効測定範囲:90V~490V)
電流:20.000mA/ 200.00mA /2.0000A/ 5.0000A (有効測定範囲はレンジの1%~110%)
確度 漏洩電流実効値:±0.5% rdg. ±0.2% f.s. +クランプセンサ確度
有効漏洩電流値:±0.5% rdg. ±0.2% f.s. +クランプセンサ確度 +位相θ確度による誤差
※位相θ確度による誤差 (抜粋)
9800使用時:Io≦200mA: ±0.5°以内=Io値×1.0% rdg.
9801使用時:Io≦200mA: ±0.3°以内=Io値×0.5% rdg.
電圧基本波値:±2% rdg., 周波数:±1% rdg. ±1 dgt.
インタフェース USB Ver2.0、対応OS:Windows 2000/XP/Vista
機能 フィルタ (fc=150/180Hz、50/60Hz)、結線図表示、データ保存、時計、オートパワーセーブ、クランプセンサ情報表示、バックライト、表示ホールド、各種警告表示
電源 単3形アルカリ乾電池 (LR6)×4、連続使用時間:20h (バックライトOFF)、またはACアダプタ9786 (AC100V~240V、50/60Hz)
測定可能導体径 クランプオンリークセンサ9800:φ30mm、9801:φ40mm
寸法 90(W)×159(H)×45(D)mm
重量 440g (電池含む)



  構成品

標準構成品 本体(3355)、ACアダプター9786(接地アダプタ付)、コンセント入力コード(9448)、マグネットアダプター9804(赤・黒)、クランプオンリークセンサー 9800/9801(コード長3m)、電圧コード(赤・黒)、ワニ口クリップ(赤・黒)、位相校正ユニット(9796)、USBケーブル、収納ケース、取扱説明書